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2026年度「琵琶湖岸オープンカンパニーツアー」開催報告

biwako-moriyama

滋賀県守山市では地方創生の柱として「起業家の集まるまち 守山」を掲げ、多様化する社会課題解決のため、市内外のスタートアップをはじめとする民間企業との官民連携による民主導の地域活性化・持続可能社会への貢献を目指しています。

また、琵琶湖に面する立地を活かした湖岸エリアの振興と観光誘客を見据えて「琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地 守山」として、官民連携による持続可能な地方創生の実現を目指し、民間事業者同士の連携や横展開を進めています。

こうした取り組みの一環として、市内外の企業や起業家などを対象に、湖岸エリアの事業者の「現場」を訪問しながら地域の課題や可能性を学ぶプログラム「琵琶湖岸オープンカンパニーツアー」を実施しました。

また、今年度はオープンカンパニーツアー実施に伴い、湖岸エリアが抱える地域課題や立地企業が直面する課題の解決に向けた技術・アイデアを募集するピッチコンテスト「Moriyama Lake Hack」を開催します。

採択事業に対しては、守山市の伴走支援のもと、湖岸エリアにおいて約半年間の実証実験を展開し、製品・サービスの有効性やビジネスモデルを検証します。

湖岸エリアの企業と市外企業・起業家を繋ぐオープンカンパニーツアー

2026年8月3日(月)、守山市の湖岸エリアを舞台に「琵琶湖岸オープンカンパニーツアー」を開催しました。

当日は、滋賀県内に加え、大阪・愛知・神奈川・東京など各地から、スタートアップを含む市内外の企業6社の関係者が参加。守山市役所を出発地点として湖岸エリアに立地する企業・施設4か所を訪問しました。

4つの「現場」を訪問し、課題や可能性を学ぶ

当日は守山市役所に集合し、湖岸エリアに立地する企業・施設を巡るツアー形式でプログラムを実施しました。

各視察先では、事業内容や抱えている課題について説明を受けたほか、現地社員と参加者による意見交換やディスカッションも行われました。

ヤンマーサンセットマリーナ

最初に訪問したのは、守山市にあるマリーナ施設「ヤンマーサンセットマリーナ」(ヤンマーコーポレーション株式会社)です。

ヤンマーサンセットマリーナ

同施設は琵琶湖に面するマリーナで、敷地内にはクラブハウスとホテルの機能を備えた「ヤンマーサンセットマリーナ クラブハウス&ホテル」や、「セトレマリーナびわ湖」が併設されています。

施設では、レストランから出る生ごみや、マリーナ周辺で回収した水草をコンポスターで堆肥化し、敷地内の農園で活用しています。育てた野菜はレストランで提供され、綿花はスタッフの制服に活用されるなど、資源循環の取り組みが進められています。(過去記事参照

また、資源循環だけでなく、太陽光発電設備の導入や、排水・汚水の適切な管理など、環境負荷を抑えるためのさまざまな取り組みも進められており、2025年には、湖のマリーナとしてアジアで初めて国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得。

2026年には2年連続で認証され、外来水草を堆肥化し、野菜や綿花の栽培につなげる取り組みが、ブルーフラッグの優良事例コンテストにおけるサーキュラーエコノミー部門で1位に選ばれました。

施設見学では、船の上架・下架に用いる揚降リフトや、「びわ湖水環境フォーラム2026 in Moriyama」への出展など環境教育に関する地域での取り組みについてもご説明いただきました。

担当者からは、琵琶湖の深刻な課題となっている外来水草についての説明もありました。自分たちで回収した水草の一部を堆肥化するなどの対策は行っているものの、1日に処理できる量には限りがあり、十分な解決には至っていないことが課題として挙げられました。

参加者からは、「オンシーズンとオフシーズンはいつか」「外来水草の回収や処理はどのような体制で行っているのか」「農園や資源循環の取り組みを食育イベントとして展開するのはどうか」といった質問やアイデアが寄せられました。

ヤンマーサンセットマリーナでの記念撮影

琵琶湖レークサイドゴルフコース

続いて訪問したのは、「琵琶湖レークサイドゴルフコース」(株式会社アヤハゴルフリンクス)です。

琵琶湖レークサイドゴルフコース

同施設は、琵琶湖に面した27ホールのパブリックゴルフコースです。起伏の少ないフラットなコースが特徴で、フェアウェイへのカート乗り入れや早朝・ナイター営業など、多様な利用スタイルに対応しており、滋賀県内だけでなく京都・大阪などからも利用者が訪れています。

また、「もっと気軽にゴルフを楽しみたい」というニーズに応えるため、初心者向けのゴルフスクールやインドア練習場、ハーフラウンド、スルーラウンドなど、さまざまな取り組みを進めています。また、猛暑への対策としてナイター営業、2026年夏からはクーラーカートも導入されました。

施設担当者からは、年間約10トン発生する刈り芝の処理に加え、埋立地で勾配を確保しにくいことによる排水不良など、施設特有の課題も紹介されました。

参加者からは、「ゴルフに興味を持ってもらうためのイベントなどを実施したケースはあるか」「事務作業の中で、手間や負担を感じている業務はあるか」といった質問が寄せられました。一方、施設側からも、「ゴルフに誘われたことはあるが、行かなかった人はいるか」「その時はなぜ行かなかったのか」と問いかける場面もあり、ゴルフを始める際のハードルについて意見が交わされました。

びわこもりやまフルーツランド

続いて訪問したのは、観光農園として地域の農業振興にも取り組む「びわこもりやまフルーツランド」(株式会社ザ・コロナパークス)です。

同園は、滋賀県守山市北部の湖畔に広がる休耕地や旧産地を活用し、梨やぶどうを栽培する観光果樹園です。生産者の高齢化による離農が進み、一時は産地の半分以上が耕作放棄地となる中、株式会社ザ・コロナパークスが新たな担い手となり、現在は平均年齢25歳のスタッフ5名が農園の管理・運営を担っています。

もりやまフルーツランドの直売所
夏季(8-9月)のみの営業

訪問時はちょうど営業シーズンを迎えており、直売所での梨やぶどうの販売やキッチンカーの出店など、多くの来場者でにぎわっていました。

園地では、梨が実っている様子や、作業効率を大きく高める「ジョイント栽培」などの新しい栽培技術を見学させていただきました。また、直売所のほかに、夏季限定のカフェ「おもて梨キッチン」、収穫体験、食べ放題プランなど、さまざまな形で果物を楽しんでもらう取り組みが同施設では行われています。

担当者からは、気候変動によって収穫量や品質が不安定になることや、直売所を営業する約2か月間で、年間の売上の多くを確保する必要があることなど、農園経営特有の課題についてご説明いただきました。

参加者からは、「どのような業務に何人のスタッフを配置しているのか」「直売所をオープンしていない時期の資金繰りはどうしているのか」「今後、梨やぶどう以外の果物を栽培する考えはあるのか」など、農園経営や今後の事業展開に関する質問が多く寄せられました。

ピエリ守山

最後に訪問したのは、「ピエリ守山」(双日商業開発株式会社)です。

ピエリ守山

同施設は、スーパーマーケットやファッション、飲食店などが入る大型商業施設です。敷地内には、温浴施設やフットサルコート、アスレチック施設なども併設されており、買い物以外にもさまざまな過ごし方ができる施設となっています。2014年にリニューアルオープンし、近年では琵琶湖を自転車で一周する「ビワイチ」の立ち寄り拠点として、サイクリスト向けの駐輪スペースも整備されています。

施設見学では、担当者の方から説明を受けながら1階エリアを一周し、出店店舗や館内の様子を見学しました。

担当者からは、ピエリ守山の現状やリニューアルを経て現在に至るまでの歴史、琵琶湖沿岸に位置することによる利点についてご説明いただきました。

また、ビワイチの利用者や夏季のレジャー客などの来館も多く、土日には京都・大阪など県外からも多くの人が訪れる一方で、平日の集客が課題となっていることも紹介されました。

参加者からは、「平日と土日では来館者の属性にどのような違いがあるのか」「今後増やしたい来館者層や、課題を感じている層はあるのか」「集客を目的としたイベントを定期的に開催しているのか」といった質問が寄せられました。

現場での発見を、提案・実証へ

今回のツアーは、湖岸エリアの施設を視察し、現場の課題を知るだけで終わるものではありません。

参加企業は、現場で得た気づきや、地域事業者との対話を通じて見つけた課題をもとに、解決につながる技術やアイデアをピッチコンテスト「Moriyama Lake Hack」で提案します。

採択された事業は、守山市や地域事業者の伴走支援を受けながら、湖岸エリアをフィールドに約半年間の実証実験を行い、製品・サービスの有効性やビジネスモデルを検証します。

本ツアーがきっかけとなり、守山・琵琶湖岸エリアにおける新たな連携や挑戦が生まれるとともに、官民連携による地域課題の解決や地域活性化につながっていくことを期待します。

(取材 = 株式会社COMARS 吉武[守山市・琵琶湖岸における官民連携によるオープンカンパニー事業実証業務受託事業者])

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