interview

《湖岸VOICE Vol.5》「『いのち輝く』を琵琶湖から」たねやグループ

biwako-moriyama

守山市が掲げる「琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地 守山」とは、滋賀県・琵琶湖岸の湖岸エリア振興と観光誘客を目指した、官民連携の連携プラットフォームです。

そんな「琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地 守山」を目指すべく、琵琶湖岸で様々な事業活動を行う事業者へ「湖岸VOICE」シリーズと題したインタビューを実施。

Vol.5は、滋賀県近江八幡市に本部を置き、季節の素材を生かした和菓子・洋菓子を製造・販売する、たねやグループの執行役員 経営本部本部長の小玉恵さん、営業部広報室室長の青木志歩さんにお話を伺いました。

(取材 = 株式会社COMARS 吉武[琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地推進業務受託業者])


たねや・CLUB HARIEは、滋賀県に拠点を置き、和菓子・洋菓子の製造販売を行う企業です。創業150年を迎える同社は、創業地である滋賀県近江八幡市を含め自社の商品となる原材料の栽培や農業を通じて学びの場を提供するなど、地域に密着し、未来に向けた持続可能な社会の実現を目指した企業活動を進めています。

2015年には近江八幡市に、屋根一面が芝に覆われた同グループのフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡」をオープン。自然を利用するのではなく〈自然に学ぶ〉をコンセプトに、お菓子づくりはもちろんのこと、幅広い地域活動に取り組んでいます。

琵琶湖の「尊さ」を大切に

グループ本部もあるフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡」

たねやグループでは、グループとして国連が提唱した”SDGs宣言”を掲げ、地域に密着した持続可能な社会の実現を目指しています。

たねやグループは、一菓子舗の立場からSDGsを実践し、持続可能なまちづくりに向け、菓子舗の枠組みを越えた活動を実施しています。同時に地元近江八幡の活性化を目指し、「ラ コリーナ近江八幡」では敷地内の田んぼや自然を活用した学びの場をも提供しています。

2021年1月に守山市が開催した「琵琶湖アドベンチャーツーリズムシンポジウム」に、滋賀県内の事業者として参加した小玉さん。その際の藻谷浩介氏(日本総研)の基調講演で「淡水の水があることが尊い」というところに、感銘を受けたといいます。

「もともと滋賀に住んでいて、個人としても会社としても、琵琶湖には親しんでいましたが、改めて日本最大の淡水湖にすぐにアクセスでき、素晴らしい景観と生き物たちが住まうこの環境がとても尊いということに、改めて気付かされました」と話します。

青木さんは「琵琶湖を見るとホッとしますし、ふるさとだと思える場所です。お店作りやお客様への体験としても『ここにしかない景色』をご提供して、心の拠り所だと思っていただけるようにしていきたいと考えています」と話します。

小玉さんはそんな琵琶湖の価値について「琵琶湖の価値は『いのち』にあると思います。生物多様性という言葉では言い表せない、生き物たちの営みが、ここにはあります。琵琶湖にもともとあったいのちを大切に、私たちはお菓子づくりを続けています」と語ります。

ただ走るだけでないビワイチの価値

たねやの拠点であるラ コリーナ近江八幡が位置するのは、近江八幡市の琵琶湖からは少し内陸に入ったところです。最近では「ビワイチ」に加えて内陸も探索するサイクリング客も増え、お菓子を食べたりと立ち寄る拠点にもなっているといいます。琵琶湖岸を走って、美味しいものを食べ、話しながら走ったり休んだりと、サイクリングだけではない魅力がビワイチにはあると話す小玉さん。

「私もビワイチイベントなどに参加して、県内事業者の方や行政の方々と一緒にサイクリングに参加したりもしましたが、偉い方たちが無邪気に笑って楽しそうにしている姿を見て、ビワイチにはとても価値があると感じました」と話します。

トライアスロンへの参画で変化も

ビワイチの取り組みや琵琶湖アドベンチャーツーリズムシンポジウムなどを通して、これまでつながらなかった事業者とも連携を深めるようになったというたねや。そんなたねやグループでは、2021年に第1回が開催され、2023年には第3回大会も開催される琵琶湖でのトライアスロン大会「LAKE BIWA TRIATHLON」へ協賛しています。

「協賛のお話を最初にお伺いした際、『一つの大会を一緒に作りませんか』と提案を受け、その夢あるお話に感銘を受けました。守山市や大会関係者の皆さんの心意気に動かされ、お菓子を選手の皆さんにご提供させていただくなどで協力させていただきましたが、お菓子を持っていくだけではない感動を味わうことができ、琵琶湖の自然の価値、人の魅力、スポーツの感動を、大会を通じて感じることができました。全国から来た選手を琵琶湖で受け入れ、みんなで応援し、楽しむという姿は本当に素敵でした」と小玉さんは話します。

小玉さんは実際に大会を通してスポーツに憧れ「見ていてすごく楽しそう、と感じて、実際によく走りに行くようになりました」とご自身の変化も感じたといいます。

取材に応じる小玉さん(左)、青木さん

青木さんは「たねやはお菓子屋さんで、地域の資源を生かしながら、来ていただくお客様にお菓子を届けています。地域と密接に関わる中で、トライアスロンの大会を通しては、同じ方を向いて感動できること、想いを伝えることの大切さ、素晴らしさに気付かされました。これまでは来ていただいているお客様に対してどのように貢献できるかを考えていましたが、これからは自分たちがどんどん外に出て、地域と積極的につながり、地域と共創するフィールドを私たちが作っていきたいと考えるようになりました」と話します。

「いのち輝く」を琵琶湖から

最後に、これからの琵琶湖岸を盛り上げていくべく、その意気込みを小玉さんに語っていただきました。

「琵琶湖の恵みを生かして事業をさせていただいている身として、人と、人以外のすべてのバランスを大切にしながら、多様性ある湖を守っていきたいと思っています。2025年の大阪・関西万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』ですが、まさにいのちを大切にしながら、『いのち輝く』を滋賀・琵琶湖から発信していければと思います。万博も1つのきっかけとして、気づきや行動変容につなげ、オール滋賀で取り組んでいきたいです」

たねやグループ

たねや・CLUB HARIEは、滋賀県に拠点を置き、和菓子・洋菓子の製造販売を行う企業です。創業150年を迎える同社は、創業地である滋賀県近江八幡市を含め自社の商品となる原材料の栽培や農業を通じて学びの場を提供するなど、地域に密着し、未来に向けた持続可能な社会の実現を目指した企業活動を進めています。

https://taneya.jp/

記事URLをコピーしました