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《湖岸VOICE Vol.1》「また来たいと思える琵琶湖岸へ」西武造園株式会社

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守山市が掲げる「琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地 守山」とは、滋賀県・琵琶湖岸の湖岸エリア振興と観光誘客を目指した、官民連携の連携プラットフォームです。

そんな「琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地 守山」を目指すべく、琵琶湖岸で様々な事業活動を行う事業者へ「湖岸VOICE」シリーズと題したインタビューを実施。

Vol.1は、琵琶湖の湖岸沿いに広がる「湖岸緑地(湖東湖北地域・南湖東岸地域)」の指定管理者として緑地の維持・管理だけでなく、様々な体験型イベントなどを開催している、西武造園株式会社 西日本統括支店 管理運営部の橋本敬一公園長にお話を伺いました。

(取材 = 株式会社COMARS 吉武[琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地推進業務受託業者])


西武造園株式会社は、創業以来全国的に事業展開し、様々な緑地空間の設計・施工をはじめ、維持管理・運営まで幅広い事業サービスを行っている企業です。「人とみどりの環境創造サービス企業」として、事業活動を通じて「持続可能な開発目標(SDGs)」に取り組んでいます。日本の都市を彩る緑の空間の創出や、豊かな街づくりを実現してきました。

そして、滋賀県では琵琶湖周辺の公園や湖岸緑地の指定管理者として、湖岸緑地の植物維持管理を行ったり、公園の様々なイベントを企画・運営したりしています。

「琵琶湖に一番近い場所」湖岸緑地

「びわ湖に一番近い場所」湖岸緑地

西武造園は、琵琶湖を中心とした様々な事業活動を行っています。

指定管理を行う「湖岸緑地」は、滋賀県の琵琶湖総合開発計画に基づき、琵琶湖の水位低下による自然環境の保全と、新しい湖辺風景の創造、レクリエーションの増進を図るために設置された都市公園です。

西武造園では湖岸緑地をはじめとする公園の施設管理・維持業務だけでなく、昆虫観察や野鳥観察など子どもたちが楽しめる湖岸自然観察会の企画や、地域共生の取り組みとして地元漁師さんとびわ湖の漁業体験や地引網漁業イベント、琵琶湖のゴミ問題を紙芝居で伝え、「琵琶湖のゴミ」である流木で作るアートイベントなども開催しています。

また、一周約200kmの琵琶湖を自転車で回る「ビワイチ」で公園を利用するサイクリストのために、サイクルラックや、フォトスポットにフォトスタンドを設置しています。

さらに、「重要文化財令」の規定を受け、琵琶湖周辺の文化財保護活動にも努めるなど、地域社会の活性化にも取り組んでおり、地域の豊かな自然を守りながら、琵琶湖を中心とした文化や伝統を活かした様々な活動を行っています。

まさに「びわ湖に一番近い場所」である湖岸緑地。
湖岸を守りながらも、子どもたちが楽しめる取り組みや、琵琶湖を利用した観光活動も行い、湖畔の文化財を活かした観光スポットも提供しています。

琵琶湖での生業を体験に

取材に応じた橋本さんは、生まれも育ちも滋賀県で、小さい頃から琵琶湖に慣れ親しんだ生活を送ってきたといいます。

橋本さんが考える琵琶湖の魅力を聞くと「やはり景色ですね。水辺があって、山も近く、四季を感じる。渡り鳥がいて、魚もいて、豊かな植生もあることが素晴らしいです」と話します。そして「漁業など琵琶湖に固有の生業(なりわい)や、カヤックやビワイチ、動植物の観察など、琵琶湖だけの体験がたくさんあることも大きな魅力です」とも話します。

そんな琵琶湖だけの魅力を伝えていくべく、橋本さんは公園管理の傍ら、様々な企画を通じて、その面白さを発信しています。

「自分も自転車に乗ってビワイチを普段からしていて、実際にビワイチをする人、公園を使う人の目線で公園の管理を行っています。そしてイベントを行う際も、地元の人と一緒に開催することを意識して、ビワイチツアーや漁業体験、カヤック体験など、子どもから大人まで琵琶湖を楽しんでもらえるような企画にしています」と話す橋本さん。

「西武グループの一員として西武ライオンズのイベントを埼玉県で行った際に、湖岸緑地を紹介する展示やプログラムを行いました。琵琶湖のゴミを題材に、環境啓発の話を子どもたちにしたんですが、参加していた埼玉の子どもたちに琵琶湖の知名度が低かったことがショックでした」と話します。

そんな苦い経験からも、琵琶湖の魅力、価値を広めていきたいという思いが強まったといいます。

受け入れるための環境整備を

取材に応じる橋本さん

コロナ禍の中で、日本全体で観光客数が減る中、密を避けられるキャンプブームや自然でのアクティビティブームが到来し、湖岸緑地にはたくさんの利用者が訪れ、キャンプをする人やビワイチをする人が増えたといいます。

西武造園では公園の植物維持管理に加えて、独自の企画を提案するなど、湖岸緑地でのイベント開催にも積極的に取り組んでいます。最近では、今まで琵琶湖岸ではほとんど開催されてこなかった、トライアスロン大会やテントサウナイベントなどへも協力し、多くの人を琵琶湖へと呼び込んでいます。

守山市が目指す「琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地」としての価値がますます高まるなか、西武造園が取り組むような民間主導・官民連携の湖岸活性化が必要不可欠となっています。

これからさらに「琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地」として価値を向上していくために必要な課題を聞くと「やはり電気・水道のインフラです。湖岸緑地(湖東湖北地域・南湖東岸地域)では、湖沿いを走る湖岸道路を境に、琵琶湖側の緑地帯にはインフラが整備されておらず、様々なイベントやワークショップを開催するうえでは大きな課題ですし、これからカフェなどの施設を誘致するにも難しいのが現状です。たくさんの人に湖岸緑地を楽しんでもらうためにも、それを受け入れるための環境をしっかり整備することが求められてくると思います」と」と橋本さんは語ります。

琵琶湖の新しい顔を感じて

最後に、これからの琵琶湖岸を盛り上げ、「琵琶湖アドベンチャーツーリズムの発着地」へ向けた意気込みを語っていただきました。

「私たちは湖岸緑地の指定管理者として、『気持ちよく、また来たい』と思ってもらえる公園づくりを目指しています。琵琶湖は毎日景色も違いますし、毎日違う顔を見せてくれます。たくさんの方に何度も訪れていただき、新しい顔を感じてほしいです」

西武造園株式会社

西武グループにおける「造園・緑地事業専門会社」として、全国的に事業展開する西武造園株式会社は、設計・施工・維持管理・運営までワンストップなサービスを提供するとともに、総合力をもって、“人”と“みどり”のより豊かなまちづくりを目指しています。滋賀県では、琵琶湖の周囲に点在する15地区67ヶ所の都市公園(湖岸緑地)をはじめ、県や市の公園の指定管理者として、安全・安心で質の高い管理・運営に努めています。

湖岸緑地(湖東湖北地域・南湖東岸地域)WEBサイト
https://www.seibu-la.co.jp/park/kogan/

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